2024.10.16
10月16日は、世界食料デー(World Food Day)、そして国連食糧農業機関(FAO)の創立記念日でもあるそうです。
「世界食料デー」は世界の食料問題を考える日として、国連が制定した国際デーの一つだそうです。今年のテーマは「食への権利を、より良い生活と未来のために(Right to foods for a better life and a better future)」です。そして副題として「誰一人取り残さない」と書かれています。私は、この「誰一人取り残さない」という言葉にとても強い意志、力を感じました。
WFP(国連世界食糧計画)のHPによりますと、(以下引用)
「いま世界では地球上の全ての人が食べていける分以上の食料を生産しているにも関わらず、紛争や度重なる気象災害、経済の悪化等により、世界では最大7億8,300万もの人が飢餓に直面しています。なかでも、貧困層や社会的に脆弱な人々が最も深刻な影響を受けており、各国間及び各国内における格差は益々拡大しています。食料は、空気と水に次いで3番目に大切な、人の基本的なニーズであり、すべての人に、より多様で栄養価のある適切な食品が用意されるべきなのです。」とあります。
私の場合、身近に無い問題は、つい忘れてしまいがちです。また、その問題解決のために、自分に今出来る事は何か、と考えてもなかなか具体的に思いつきません。今日が世界食料デーで世界中に7億人以上飢餓で苦しむ人がいると知っても、最初はあまりピンと来ませんでした。でも、よく考えてみると、食料が手に入らなくなるという状況は、あり得なくはないものです。例えば、地震や台風などの自然災害に遭ったり、失業して貯金が底を尽きた状況などを想像してみました。そして、もし、自分が何も食料を得られなくなってしまったとしたら、どうするか…と考えました。すると、「取り残されたくない!」と身につまされて感じることが出来ました。
今日は「世界の食料問題を考える日」。今の私は、考えてもこんな風に自分本位でお恥ずかしい限りですが、取り残されている誰かがいることを改めて思い知り、考えようとするきっかけとなりました。
2024.08.21
8月上旬頃よりお盆前後にかけまして、弊社商品の納期に大幅な遅延が発生し、複数のお客様に多大なご迷惑をおかけいたしましたことを、心よりお詫び申し上げます。(以下、お詫びと言いながら、言い訳やら愚痴やらになりがちでありますことをどうかご容赦ください。)
原因は、輸配送業者が大混乱に陥っていたためで、その説明によりますと、複数の集配エリアで物量が予想をはるかに上回り制御不能となったこと、そして、2024年問題の影響によりドライバー人材が著しく不足したことが主な要因とのことです。
一番酷かったのはお盆前で、弊社へ遅延する旨の連絡も無いまま何日も経過し、お客様から「実はまだ届いていないのだけど一体いつになったら届くの?」とお問い合わせをいただき、初めて発覚したケースも散見されました。しかも、配送業者への電話も全く通じない状態になっていたため確認すら出来ず、奇跡的に電話が通じたとしても、いつ配送出来るか目途が立たず答えようが無いと言われる始末。(もちろん、そんな大変な状況の中、電話でご対応いただいた方々には感謝いたしておりますが…。)しかも、お盆明けの今もまだ混乱は続いているようなのです…
実際問題として、お客様は予定していた商品が届かなかったことで生産計画に支障をきたしたり、本来休日であったはずの日に出勤して対応しなければならなくなったという事態も生じていました。また、弊社も明確なお応えが出来ず打開策も出せないまま互いに無為な時間が過ぎることとなってしまいました。本当になんとお詫び申し上げたら良いのか言葉も見つかりません。心より深くお詫び申し上げるのみです。
少しだけ不幸中の幸い(?)と思われましたのは、このような混乱や遅延をある程度見越して、かなり余裕を持ったスケジュールで納品日を組んでくださっていたお客様が多くいらっしゃったことです。そして、ある程度は仕方がないねとご了承くださいました。本当に皆様のご理解ご協力には文字通り頭が下がり、心が救われる思いがいたしました。とはいえ、仕方が無いのは1~2日程度の遅延についてであり、これほどまで大幅な遅れが生じるとは予想外だったという方のほうが多かったものと拝察いたします。本当に申し訳ございませんでした。
配送業者では「今後このような事象を絶対に起こさないよう、社命をかけた対策を明確にし、全社を挙げて取り組む」とのことですが、今のところ具体策はまだ出ていません。
弊社といたしましても、輸配送業者の厳しい状況をある程度理解し、ただ責めるようなことは出来ないと感じております。今後は、お盆や年末年始などの繁忙期に同一の配送業者に依頼が集中しないよう改めて見直しを行い、お客様に対しもっと余裕を持った配送スケジュールをご案内する等のリスク回避策を講じて参ります。また、配送業者の具体策を踏まえた上で、再びこのような事態が生じないよう、更なる改善策を検討し講じる所存です。
末筆とさせていただきますが、改めまして、このたびは多くのお客様並びに関係各位に多大なご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。ここでお詫びを申し上げても仕方がないとは存じますが、どうしてもお詫びの気持ちをお伝えしたく、また、過ぎたことと忘れるのではなく、今後にしっかり生かさなければいけないという自分達への戒めとして、書き記させていただきました。(長文を最後まで御覧いただき、ありがとうございます。)
末筆の末筆ですが、輸配送業者の皆様、まだ収拾つかず一部混乱が続いているようですが、本当にお疲れ様です。何度も電話して、ごめんなさい。
2024.07.31
玉ねぎの産地が甘粛省に移りました。甘粛省産は最も長い期間使われ、大体8月頃から来年2月頃まで続きます。
甘粛省 シルクロードや石窟に興味のある方には馴染み深いかもしれませんが、一般的には余り知られていないかもしれませんので、少しご紹介したいと思います。
甘粛省は中国の北西部に位置し、省都は蘭州市です。中央部を黄色い河 黄河 が横断しており、土地も 黄土 と呼ばれる黄色い土に覆われ、黄色い岩山や砂漠に囲まれています。全体的に黄色く乾いた独特な雰囲気です。甘粛省の黄河西域はかつての交易路 シルクロード の一部で、オアシス都市として繁栄した 敦煌 は、時を超え今も有名な観光地です。また、異民族の侵略を防ぐために築かれた 万里の長城 の最西部 嘉峪関(かよくかん) も敦煌の 莫高窟(ばっこうくつ) と同様 世界遺産となっています。甘粛省の周囲は回族、モンゴル族、チベット族などの自治区に接しており、漢民族以外の少数民族、特にイスラム教徒の回族が多いため、モスクなど街の景観もイスラム都市の観を呈し、いわゆる中華文化とはまた違った異国情緒が感じられます。
食としては、蘭州牛肉麺(または蘭州拉麺) という辛い汁麵や 串羊肉 という香辛料の効いた羊肉の串焼き等が有名です。寒暖差の激しい乾燥した気候に適した農産物、綿花、小麦、トウモロコシ、そして玉葱の主要産地でもあります。
2024.06.03
※ 6月3日の記事を6月5日に加筆修正いたしました。
毎年6月7日は「世界食品安全の日」だそうです。
国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が共同で推進し、2018年12月20日に定められたとのこと、比較的まだ新しく、自分も知りませんでした。
2024年のテーマは「予期せぬ事態に備えましょう」だそうです。詳細はコチラをご参照ください→「2024年6月7日世界食品の日」資料(日本語です)
<ご参考まで>去年2023年の活動ガイド(英語です)
資料によりますと、食中毒は世界中で10人に1人が罹患しており、汚染された食品を食べることによって、毎年6億人以上の人が病気にかかり、42万人以上の人が亡くなっています。これって本当・・・?と信じ難く恐ろしい数字だと思いませんか!
その背景にある要因は、国・地域・民族によって様々だと想像されますが、食料不足、保管・調理するための資機材及びエネルギー不足、知識や認識不足、あるいは風俗習慣及び宗教による場合や、アレルギーのように個人の体質にかかわる場合もあるでしょう。それに、冷凍餃子事件のように故意に、あるいは故意でなくとも人為的に問題が発生することも、悲しいかなあり得るのが現状です。ともかく様々な要因を出来る限り取り除き、誰もが、より安全な食品を安心して食べられるようになることを目指すということは、果てしなく大変なことだとは想像に難くありません。
ふと、つい最近も食中毒のニュースがあったことを思い出しました。ネットで見た方も多いかと存じますが、つい先月、ヴェトナムでサンドイッチ「バインミー」を食べた560人以上に、下痢、嘔吐、発熱、激しい腹痛等の食中毒症状が出て、うち12人が重体(2名は6~7歳の少年)となったという痛ましい事件がありました。「バインミー」はベトナム風フランスパンにバターとレバーペーストを塗り、なます(人参と大根の千切りの甘酢漬け)、鶏肉やエビやベトナムチャーシュー(又はハム)等、パクチーなどを挟み、ニョクマムで味付けしたサンドイッチです。この店舗だけで1日1000食以上出るという、国民食的なファーストフードで、おそらく作ったそばから売れていたのではないかと思いますが・・・。海外のニュースなので、残念ながら原因調査の結果までは追う事が出来ませんでしたが、故意によるものではなく、大腸菌などの細菌が原因ではないかとの見方が出ていたので、おそらく「食品基準」で人々を守れたケースだっただろうと思われます。
人間は(人間以外の生き物もおそらく)生きている限り、何らかの食べ物や飲み物を摂取します。個体か液体か、口からか口以外からかなどの違いは有るかもしれませんが、一生一切何も摂取しないという人(生物)はおそらくほぼいないのではないかと思われます。そう考えますと、誰にとっても自分の身に起こりうることです。
世界食品安全の日のスローガンは「食品安全はみんなのしごと」です。
弊社は、食品を扱う一企業です。そして自分自身も、一消費者であり、かつ食品業界の一員として、その責任の一端を担っています。「6月7日は食品安全の日」を知ったことを機に、自社で取り扱っている食品について、そして個人として普段買ったり食べたり人に供している食品について、改めて見直したいと思います。
上述した2023年の活動ガイドの中に、このような言葉がありました。There is no food security without food safety.また、このような事も書かれています。Food safety is a shared responsibility, involving the whole supply chain, from producers to consumers. Google翻訳の力を借りても自分では上手に訳せませんでしたが、大事なメッセージだと思いました。そして、日本語の資料でこの活動のスローガン「食品安全はみんなのしごと」という言葉に出会い、これだ!と思いました。なんと素晴らしい端的な言葉でしょう。自分の心に刻むだけではもったいない、ここに書くだけでも物足りない、より多くの人に知ってもらいたい言葉だと思います。
2024.05.24
「月間低温流通」は冷凍食品・惣菜・チルドなど低温食品の専門誌です。同雑誌は年1回“冷凍野菜特集” があり、毎年フィールドにも事前のアンケート依頼をいただき、今年も6月号にちょっとだけ登場させていただきました。専門誌なので、お手に取られる方は限られるかと思われますが、この特集は冷凍野菜業界の現況を知るのに、とても参考になります。
以下、同記事を参考に、23年度の冷凍野菜業界の概要についてまとめたものを少しご紹介したいと存じます。
● 冷凍野菜の需要伸長
まず、冷凍野菜は全体的に需要が伸びています。コロナ禍を経て、外食や中食産業におけるインバウンド需要の高まりや、それに伴う人手不足、更には天候不良による国産野菜の不作等さまざまな影響により、一般消費者にとっても業務用としても、冷凍野菜は「便利」「使える」という認識が着実に浸透してきたようです。
● 値上げが進行
全般的にある程度値上げが進みました。つまり、近年の「原価上昇」「物流費高騰」「円安」などのコストアップ分が漸く価格に転嫁されるようになり、収益が改善されつつありました。しかしその後、更に円安が進行してしまい、今後の先行きは依然不透明となり、適正価格がまだ十分に浸透しないうちに、再び価格の見直しを検討せざるを得ない状況となっています。
● 輸入量減少、輸入金額増加
冷凍野菜の輸入量はやや減少しましたが、単価が上昇したため、輸入金額は少し増えました。輸入量減少の要因は、前年が過去最高を記録した反動と、保管料が値上げとなったため国内在庫を抑制するためのようです。
● 国別輸入量は変わらず1位中国
輸入量を国別で見ると、最多は中国で全体の50%超を占めます。中国は多様な品目を安定供給できるため、他の産地にはない強みがあります。次いでアメリカ24%、ポテトやコーンなどの主要産地ですが近年価格が高騰し徐々に他の産地(中国やインド等)に拡散され減少しつつあります。そして同じくポテトの産地である欧州ベルギーが3位4.7%、タイ4%、オランダ3.8%、ブロッコリーの産地エクアドル2.7%と続きます。
● 品目別輸入量は1位ポテト
品目別に見ますと、輸入量が最も多い冷凍野菜はポテトで全体の約36%です。主な産地はアメリカ、ベルギーですが、中国産がここ3年で約3倍と急増しています。2位はブロッコリーで、3年連続右肩上がりに輸入量が増加し続けています。昨年はエクアドル産が首位でしたが、今年は価格が急騰したことから中国に抜かれて2位となりました。3位は枝豆で、主な産地は台湾、中国、タイです。そして、4位はコーン(主要産地アメリカ)、5位はほうれん草(主要産地中国)です。
● 国産冷凍野菜はまだまだ
国産需要は益々高まっています。元々潜在的な需要はありましたが、輸入品と比べ圧倒的に高価であることが大きな壁となり、特に業務用では輸入品に頼らざるを得ませんでした。しかし、円安で輸入品が全般的に割高となり価格差が縮まったと感じ、切替が検討されるようになったようです。ただ、国内で冷凍野菜を製造出来る工場はまだ少ない上、主要産地ではこのところ毎年のように異常気象や天候不順などで原料の不作が続いており、生産量が追い付かず、満足に供給出来る状況ではないというのが現状です。
● 農家、工場の人手不足と高齢化
日本では、原料を栽培する農家や加工製造する工場など、人手不足や高齢化が進んでいますが、中国など他の諸外国でも同じく、人手不足や高齢化が進み労働力の確保が難しくなっています。
● 今後の課題
日本では全体的に世帯構成が変化していることを踏まえ、病院や老健施設をはじめとする人手不足の調理場などでの需要に応えられる「自然解凍品」「調理加工品」「カット品」などの商品開発が、今後ますます必要とされていくものと思われます。
それから、冷凍野菜特集以外ですが、同誌(月刊低温流通6月号)のコラムでは、「物価の優等生」という言葉について、「価格が安定している=優等生」という呪縛で、様々なコストが上昇しているのに価格に転嫁しにくい状況を生み出しているのではないか、と日本社会に長年根付いている考え方の歪みを指摘しています。そして、最後の結びに「気づけば海外からの旅行者にとって”物価の安い国”になった」とあり、思わず「ほんとそれ!」と大きな声が出そうになりました。
2024.05.13
昨年から引き続き、2024年も食品の値上げが続いておりますが、オリーブオイルも記録的な値上がりに歯止めがかからないものの一つです。ニュースによると、とあるイタリアンレストランでは、約1年前に5ℓあたり4300円だったのが、今は約2倍の8600円まで値上がりしたそうです。市場では、今後6月以降も続けて更に値上がりすると予想されています。
値上がりの原因は主に2つあり、一つは先日こちらに書かせていただいた「円安」です。そして、もう一つは、原産国での記録的な干ばつによる不作だそうです。そのため、値上がりだけでなく、品物が入ってこない品薄状態も続いているとのことです。
調べてみたところ、オリーブオイルの主な産地は地中海沿岸諸国で、日本が輸入しているオリーブオイルの主な産地は、イタリア、スペイン、ギリシャ、フランス、ポルトガル、トルコなどです。
さて、そんな話題に便乗してご紹介したいのが、パレスチナ産エキストラバージンオリーブオイル(輸入者アリーインターナショナル株式会社)という商品です。(以下、アリーインターナショナル株式会社のホームページからの情報を参照しております。)
日本ではあまり知られていませんが、パレスチナは、地中海東側に位置し、オリーブ栽培に適した乾燥した気候で、古くからの産地です。一説によりますと、オリーブオイルは紀元前4,500年に初めてこの地で作られたとも言われているそうです。
こちらのオリーブオイルは、パレスチナの中でもジェニンと呼ばれる地方で栽培されている、ナバリ種またはスリ種という品種が原料です。ジェニン地方では降雨だけで栽培するという古代から続く有機農法でオリーブを栽培し、一つ一つ手作業で収穫しています。そして、加工の際は鮮度を保つため、厳選した実をコールドプレス(低温圧搾)加工しています。色は新鮮な緑色、味わいは濃厚、香りはフルーティーでフレッシュなオリーブオイルです。
また、製造元のカナンフェアトレード社は、ヨーロッパのEU有機認証、アメリカのUSDA有機認証、日本のJAS認証、そしてフェアトレード認証などを取得しています。経済的自立支援や持続可能な生態系・環境づくり等の取り組みにも積極的で、女性就労支援や子供たちの奨学金制度、苗木の無料提供などの社会事業も行っています。
これまで、パレスチナ産エキストラバージンオリーブオイルは、輸入量の多いイタリア産などに比べると高価な印象でしたが、オリーブオイルが全国的に品薄で価格が高騰している今なら、そんな印象も薄まり、より多くの方にお試しいただけるチャンスになるかもしれないと思い、ご紹介させていただきました。
ところで、パレスチナといえば、2023年10月から再びイスラエルと戦争状態となり、いまだに多くの犠牲者を生む戦禍が続いています。
オリーブは鳩と同様に平和の象徴だそうです。その由来は、旧約聖書「ノアの箱舟」の伝説で、大洪水が終わったことを確認するために放たれた鳩が、オリーブの枝をくわえて戻り、災害の終わりを皆に知らせたからだそうです。また、古代ギリシャやローマでは、オリーブは神聖な木として崇められ、智慧や平和の象徴とされていたそうです。そして、国際連合の旗にもオリーブの枝が描かれています。
アリーインターナショナル株式会社のホームページによりますと、パレスチナには広大なオリーブ畑が広がり、中には樹齢1000年の木も点在し、毎年オリーブの実をたわわに実らせているそうです。人々が長い年月大切に培ってきた、その大地と大地の恵みを、これからもずっと守っていかれるよう、一日も早く平和な日が来ることを心より祈念いたします。そしていつの日か、自分の目で広大なオリーブ畑を見てみたいと思います。
ちなみに、1000年前というと(かなり大雑把に言うとですが)、日本では平安時代、紫式部が源氏物語を書いた頃のようです。ヨーロッパではイギリス、フランス、ドイツなどの原型となる国家が独立した頃で、フランスでは後に世界遺産となるモン・サン・ミシェルの建設が始まったとか。そんな遥か昔から生き続け、ずっと人間に寄り添い、恵みをもたらし続けているオリーブの木、想っただけでもありがたく感動します。もし、樹齢1000年のオリーブの老木にまみゆることが出来たら、その根や幹や枝や葉に触れて、心から感謝の念を捧げたいと思います。
2024.05.08
ニュースや新聞で最近よく報道されておりますとおり、2024年4月、日本の円相場は急激な円安が進行し、初旬の1ドル=140円台から一気に15~20円下げ、月末には一時1ドル=160円台という34年ぶりの歴史的円安を記録しました。
その後、急に6円近くも円高に振れたり、1週間で8円超という異常な動きを見せましたが、現時点でも相変わらず155円前後の円安基調となっており、この状態がいつまで続くのか、どう進むのか、見通しは全く不明です。グラフで見るとここ2年の円相場が穏やかでないことは一目瞭然かと思われます。
元々、2022年頃からずっと円安基調で推移し、弊社のような輸入卸業者にとって、大変厳しい状況が続いておりましたところ、今回更に円安が急激に進行したことは、仕入れ単価を直撃し、非常に大きな打撃となりました。
具体的にどう影響しているのかと言いますと・・・(経済のケも知らないので、おかしなところがありましたらご容赦ください)
一般的な例としてですが、仕入れした翌月に支払いという場合、2024年4月に1個140円だった仕入品に対し、5月現在だと1個155円の約10割強増しで支払わなければなりません。差額15円位なら大したことないなと思われるかもしれませんが、取引単位はそれなりに大きいので、その負担は甚大になります。
更に言うと、この2年以上に渡る歴史的な円安で、輸入業者はずっと為替差損を被っているのに、日本では為替相場に対する国や銀行等の補助制度は何もありません。損失を取り戻し利益を少しでも生むために、結局、円安原価に見合った妥当な価格で販売する、つまり値上げとなるのは、やむを得ないことなのです。
でも実は、値上げするのは簡単な事ではありません。今のご時世、少しでも安い物を探したいというお客様が多く、同業他社との価格競争の中、値上げすることで一斉に買ってもらえなくなる危険性が高いですし、一旦お客様が離れてしまうと、それを取り戻すことは並大抵のことではありません。結局、なかなか値上げが出来ず、たとえ値上げ出来たとしても何か月か遅れで、それまで赤字で我慢し続けるしかない。なのに、そのうち更に円安が進み、また損失が増える。一生懸命頑張ってたくさん売っても利益を出せない・・・という悪夢がこの2年繰り返し続いています。
そして、もう一つ大事な点があります。それは、たとえこの後円高基調に反転したとしても、販売する商品は円安時に仕入れした在庫品だということです。
一方、円安の影響はマイナスばかりではありません。このゴールデンウイーク、海外からの旅客者が過去最多を記録したそうです。各観光地が大勢の外国人客で賑わったのは、円安の影響も大きかったと言われています。インバウンド需要の増加により一部の市場は活性化し、漸くコロナ禍の影響を脱したように見えました。でも、元々インバウンドの恩恵を受けない市場は取り残され、倒産する企業は昨年よりむしろ増加しているそうです。結局、今の日本経済は他力(インバウンド)頼みで自力の方は弱ったままのような気がします。
どのようにすれば円相場が動き、どの程度までいけば平穏となるのか、難しいことは分かりませんが、少なくとも一輸入業者として自分達は、この苦しい状況をどうにか乗り越え、自力が回復出来るよう、この円安が少しでも早く落着くことを願ってやみません。
2023.12.07
ニンニクは年1回収穫の作物です。年間通じて使用するため、長期貯蔵が不可欠です。
ご家庭で保存していたニンニクに、芽や根が生えてしまったり、カビたり、フカフカになってしまった、というご経験はありませんか?
ニンニクは土壌で生育する作物なので、さまざまな菌がついております。また、本来水分や養分が豊富な野菜なので、カビが発生しやすいです。そして、生きた植物なので、普段から呼吸をしたり体温をあげており、そういう活動を植物活性と呼びますが、特に春~初夏頃には発芽しようと植物活性が活発化し、変色や品質劣化を招きやすくなります。
「国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター」がニンニクを安定供給するため品質を保つのに最適な温度を研究したそうです(引用「ニンニクりん茎の長期貯蔵温度は-2℃が最適」情報公開日2007年6月25日)。それによりますと・・・
・ 芽、根の伸長がほぼ停止した状態で10か月貯蔵するには、-1℃以下の条件が必要です。
・ 貯蔵中の凍結を回避するには、-3℃以上で貯蔵する必要があります。
・ -3℃以下で長期間貯蔵すると、変色や乾燥といった低温障害が発生しやすくなります。
などの検証から、結論、最適な温度は-2℃(実用的には貯蔵庫の平均温度-2℃~-1.5℃)なのだそうです。
マイナスの温度で保管して凍らないの?と思われるかもしれませんが、糖度が21%以上(日本食品標準成分表8訂による計算値)なので大丈夫です。
フィールドのニンニクは加工する際-1℃~0℃で予冷し、コンテナ船での輸送時も日本の倉庫での保管温度も-1℃~0℃に設定しています。先の研究による最適温度-2℃より1℃高いですが、基本的には同じ理由によります。実際に保管している倉庫の冷却設備や広さ、商品の荷姿や量、想定される保管期間の長さ等を鑑み、過低温による凍結や障害、高温によるカビや変質、出芽や出根などを防ぐために、長年の経験から独自に設定したものです。
ちなみに、ニンニクは保管すると、時間の経過と共に水分が徐々に減り、糖度などの成分が多少高くなりますが、長期貯蔵しても、基本的な栄養成分に大きな変化はありません。
なお、ご家庭で保存される際、一般的な冷蔵庫だと、野菜室は5℃前後、チルド室は0℃前後なので、チルド室の方が適していると思われます。常温で置いておくと、カビたり芽や根が出たり、フカフカになってしまうので、ご注意ください。また、冷凍庫でそのまま凍らせると、解凍しても元通りの食味食感には戻らないので、お勧めしません。
フィールドには、生鮮、冷凍、乾燥、フライドなど様々なニンニク製品を取り揃えております。
・ 生鮮 : 皮付ホワイトニンニク、ムキニンニク
・ 冷凍 : 冷凍ムキニンニク、 冷凍ニンニクキザミ、冷凍ニンニクペースト
・ 乾燥 : ガーリックフレーク、ガーリックグラニュール、ガーリックパウダー
・ フライド : フライドガーリックフレーク、フライドガーリックミンス 等
ご用途に応じて、また保管設備状況に応じて、最適な商品をご案内いたしますので、どうぞお気軽にお問合せください。
蛇足ですが・・・フィールドには15年ほど前まで「ガーリック事業部」というニンニク専門の部署がありました。今は営業部に統合されて存在しませんが、設立当初、中国産ニンニクをいち早く広め「ニンニクのフィールド」で名を馳せた(旧社長の自称ですが・・・)会社ならではと思われます。更に蛇足ですが、ニンニクは野菜なので、生鮮ニンニク製品は生鮮野菜、冷凍ニンニク製品は冷凍野菜のカテゴリーに分類されるのが一般的のような気がしますが、今でもフィールドはニンニク製品を生鮮野菜や冷凍野菜と同列のカテゴリーとしているのも独特ではないでしょうか。
2024.02.21
「え~ 僕のことですか?!」
破顔一笑 ちょっと鼻を膨らませ 照れる姿が目に浮かびます
そうですよ 会いたいです みんなが会いたいと心から思っています
あまりにも突然で 本当かな ちょっとお休みしているだけじゃないのかな と思いたいです
一緒に仕事をする大切な仲間です 名実共に大きな存在だと 改めて感じています
よく食べて よく働いて 汗をかきかき いつも一生懸命頑張る人です
ひたすら真面目で優しく温和な思いやりが 溢れている人です
いつも周りの人のことを 気にかけてくれます
誰かが手を貸して欲しいときや困っていることに いち早く気付いて すぐ動いてくれます
話しかける時は 相手の都合に気を配り 遠慮がちに声を掛けてくれます
そして「僕で良ければ」と みんなをたくさんたくさんたくさん助けてくれます
些細な事でも 律儀過ぎるくらい「ありがとう」や「ごめんなさい」を伝えてくれます
自分の「ただいま」より大きな声で「おかえりなさい」と言ってくれます
口は堅く 話を親身に聞いてくれます ついつい打ち明け話をしたくなります
目が合うと ニコっと人懐こく笑ってくれて ホッと癒されます
時々 ぽっちゃりした手で 自分の飴を分けてくれます
どんな仕事でも一生懸命で 不器用なほど真面目です
イベントや大掃除など 力仕事が必要な時は 誰より一生懸命身体を動かし 大汗かいて働きます
自分が忙しくても 誰かのために時間を調整し 出来る限り力になってくれます
どんなことでも 労をいとわず いつも快く引き受けてくれます
お客様にも とても丁寧に接します 根気強くコミュニケーションをとり続け 信頼につなげます
地道にこつこつ 時間はかかりますが 一度得られたお客様とは誠実にお付き合いを続けます
社内では 声が大きく響くので 周囲の邪魔にならないよう 精一杯気を付けています
でも 楽しい雑談のひと時 つい盛り上がることもあります そんな時は みんなが笑顔に包まれます
わたしたちは 一見変わらない様子で仕事をしていますが
元通りにならない日常だけが 過ぎて行きます
みんな それぞれの心の中で
こういう時はいつも いの一番で手伝ってくれたな とか
この時間はいつも こんなことしていたな とか
いつもこんなふうに声かけてくれたな とか
あの時よく気付いてくれたな あの気遣いは嬉しかったな とか
いつもどこかに そのやさしさや思い遣りを感じます そして 見習わなくちゃと思います
ふと いっぱい一緒に笑ったこと たくさん助けてもらったこと 様々な場面で思い出します
そのたびに ありがとう ありがとう ありがとう と思います
本当に真面目で 絶対遅刻しないように 毎朝とても早く家を出ます
今朝は小雨 このくらいの雨だと 傘はさしません 見つかるとエヘヘという顔をします
いつもそうだったもん、ね
2024.02.29
今日は2月29日、229でニンニクの日だそうです。
4年に1度のニンニクの日
「ニンニクのフィールド」としては毎年「何かしたいな…」と考えますが、なかなか良い案が出ません。
そこで、「ニンニクの日」にまつわるイベントについて調べてみたところ、とあるラーメン屋さんではニンニクを使った特別メニューを出したり、イタリア料理店ではニンニクを使ったメニューをこの日限定で半額にしたりしているそうです。
また、この日に先立ち、2月25日(日曜日)に、青森県藤崎町では地元特産のニンニクPRのためイベントを開催し、来場された方は、ニンニクを使った料理を食べたり、1回200円で規格外のニンニクつかみ取りが出来たりしたそうです。
どれも、とてもお得で楽しそうですね!4年後の2月29日に向けて、今度こそ何かしたいと思います。
ところで、日本で消費されるニンニクの半分以上は中国産だそうです。中国産ニンニクは、主にレストランやラーメン店などで調味用として使われたり、加工食品や調味料・香辛料などの原料として、業務用に使われています。フィールドでも、皮付のホワイトニンニク、ムキニンニクといった生鮮品や、ニンニクペーストやニンニクキザミといった冷凍品、ガーリックパウダーやガーリックフレークといった乾燥品など様々な用途に合わせてお使いいただける商品を取り揃えております。
そして、国産ニンニクの生産量が最も多い県は青森県、特に十和田市や田子町が有名で、「福地ホワイト」「たっこにんにく」といったブランドもご存じの方が多いのではないでしょうか。フィールドでも国産ニンニクの生鮮、冷凍、加工品を取り扱っておりますが、それらの産地は全て青森県です。ちなみに、国産ニンニク生産量第2位は北海道、第3位は香川県だそうです。
2022.08.30
突然ですが
お陰様で、この数年で大きく売り上げを伸ばした冷凍野菜ベスト3を発表いたします。
第1位 冷凍揚げ茄子(乱切り)
第2位 冷凍パプリカ(赤)
第3位 冷凍グリーンピース
冷凍揚げ茄子は「調理が簡単で使い勝手が良い」とお客様からご好評をいただいております。
弊社でも簡単な調理で一品作ることが出来ました。なかなか美味しかったです。レシピはこちらです。
パプリカ赤やグリンピースはお料理の彩りとして人気が出ているようです。
原料の栽培管理が煩雑で近年は農家が減少しているそうですが、栄養価も高い食材ですので、
これからも安定供給出来るよう努めたいと思います。
2022.08.03
フィールドの中国産玉葱は安定供給のため産地リレーしております。
今年は例年より早く甘粛省産が始まりました。来年春まで甘粛省産が続きます。
今年の栽培面積は昨年とほぼ同じ位で、生産量も昨年とほぼ同じ位の予想です。
ただ、価格は様々なコスト増や円安等の影響で、かなり高値となっています。
仕入先によると、これから収穫量が増えるにつれ、徐々に値下がりするとの予想ですが・・・?
2022.06.03
昨年、中国では長雨による天候不良の影響で、多くの作物が減産し、原料が軒並み品薄や高値となりました。
また、コロナ禍や原油高の影響で、海上運賃や燃料費等が高騰し、保管料や包材費など様々なコストの負担が重くなりました。
今年に入ってからは、ロックダウンの影響で、人員不足や原料不足となり、値上げに拍車がかかりました。
そして、更に20年振りといわれる円安が重くのしかかっています。
というわけで、皆様よくご承知のとおり、昨年からあらゆる物が値上げとなっております。
最近、中国からの貨物に関しては、港湾の混乱やコンテナ不足による出船の遅れは緩和され、ほぼ正常に戻りました。
しかし、原料不足はなかなか解消されないまま、作物によっては、昨年より更に厳しい状況となっているようです。
春から夏にかけて、多くの農作物は最盛期を迎えましたが、原価は更に大幅に値上がりました。
その原因の一つが、この春 中国が新型コロナウイルスの感染拡大防止のために実施したロックダウンです。
道路が封鎖され、人流や物流が止められたため、農場では人手不足で、十分な栽培管理が出来ませんでした。
輸出用、特に日本向けの農作物に関しては、規格基準や残留農薬基準が大変厳しいため、
適期に収穫しないとすぐ日本の厳しい規格に合わなくなってしまいます。
また、栽培中に病虫害や生育不良が発生しても、施薬管理が行き届かないと輸出可能な原料は収穫できなくなってしまいます。
農作物の多くは、収穫が年1回です。
今期はまだ始まったばかりですが、既に原料は品薄で、こちらが発注した量の確保も儘なりません。
そして、価格は、円安の影響も相俟って、かなり大幅な値上げが相次いでいます。
今後状況はますます悪化し、商品によっては早々に欠品することも危惧されます。
先が思いやられます・・・早く何か良いお知らせを書ける日がくるといいのですが・・・(◞‸◟)。
2021.12.10
弊社の創立は1996年2月15日。今年で創立25周年です。
サプライズで、西川社長から1人1人に記念品を授与していただきました!
西川社長はじめ取締役員の方々が、今はまだ時節柄会食は出来ないけれど、
記念として何か残したいと議論を重ね、色々検討してくださったそうです。
とても素敵なプレゼントです!さて、中身は何でしょう?
ラジオです!
防災用で電源はソーラー発電と手回し発電と電池の3種類。LEDライトで懐中電灯と読書灯になります。
サイレンも鳴るし、スマホ等USB機器の充電も出来ます。こんなに多機能でありながら、軽くてコンパクト。
なにより、かっこよく創立25周年記念SINCE1996と入っているのが嬉しいです!
いつどこで災害が起こるかわかりません。
緊急事態で不安になった時、この赤いラジオとみんなが笑顔になった思い出が心の支えになると思います。
ありがとうございました!