2024年7月31日
玉ねぎの産地が甘粛省に移りました。甘粛省産は最も長い期間使われ、大体8月頃から来年2月頃まで続きます。
甘粛省 シルクロードや石窟に興味のある方には馴染み深いかもしれませんが、一般的には余り知られていないかもしれませんので、少しご紹介したいと思います。
甘粛省は中国の北西部に位置し、省都は蘭州市です。中央部を黄色い河 黄河 が横断しており、土地も 黄土 と呼ばれる黄色い土に覆われ、黄色い岩山や砂漠に囲まれています。全体的に黄色く乾いた独特な雰囲気です。甘粛省の黄河西域はかつての交易路 シルクロード の一部で、オアシス都市として繁栄した 敦煌 は、時を超え今も有名な観光地です。また、異民族の侵略を防ぐために築かれた 万里の長城 の最西部 嘉峪関(かよくかん) も敦煌の 莫高窟(ばっこうくつ) と同様 世界遺産となっています。甘粛省の周囲は回族、モンゴル族、チベット族などの自治区に接しており、漢民族以外の少数民族、特にイスラム教徒の回族が多いため、モスクなど街の景観もイスラム都市の観を呈し、いわゆる中華文化とはまた違った異国情緒が感じられます。
食としては、蘭州牛肉麺(または蘭州拉麺) という辛い汁麵や 串羊肉 という香辛料の効いた羊肉の串焼き等が有名です。寒暖差の激しい乾燥した気候に適した農産物、綿花、小麦、トウモロコシ、そして玉葱の主要産地でもあります。