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コラム

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パレスチナ産オリーブオイルについて

2024年5月13日

昨年から引き続き、2024年も食品の値上げが続いておりますが、オリーブオイルも記録的な値上がりに歯止めがかからないものの一つです。ニュースによると、とあるイタリアンレストランでは、約1年前に5ℓあたり4300円だったのが、今は約2倍の8600円まで値上がりしたそうです。市場では、今後6月以降も続けて更に値上がりすると予想されています。

値上がりの原因は主に2つあり、一つは先日こちらに書かせていただいた「円安」です。そして、もう一つは、原産国での記録的な干ばつによる不作だそうです。そのため、値上がりだけでなく、品物が入ってこない品薄状態も続いているとのことです。

調べてみたところ、オリーブオイルの主な産地は地中海沿岸諸国で、日本が輸入しているオリーブオイルの主な産地は、イタリア、スペイン、ギリシャ、フランス、ポルトガル、トルコなどです。

さて、そんな話題に便乗してご紹介したいのが、パレスチナ産エキストラバージンオリーブオイル(輸入者アリーインターナショナル株式会社)という商品です。(以下、アリーインターナショナル株式会社のホームページからの情報を参照しております。)

日本ではあまり知られていませんが、パレスチナは、地中海東側に位置し、オリーブ栽培に適した乾燥した気候で、古くからの産地です。一説によりますと、オリーブオイルは紀元前4,500年に初めてこの地で作られたとも言われているそうです。

こちらのオリーブオイルは、パレスチナの中でもジェニンと呼ばれる地方で栽培されている、ナバリ種またはスリ種という品種が原料です。ジェニン地方では降雨だけで栽培するという古代から続く有機農法でオリーブを栽培し、一つ一つ手作業で収穫しています。そして、加工の際は鮮度を保つため、厳選した実をコールドプレス(低温圧搾)加工しています。色は新鮮な緑色、味わいは濃厚、香りはフルーティーでフレッシュなオリーブオイルです。

また、製造元のカナンフェアトレード社は、ヨーロッパのEU有機認証、アメリカのUSDA有機認証、日本のJAS認証、そしてフェアトレード認証などを取得しています。経済的自立支援や持続可能な生態系・環境づくり等の取り組みにも積極的で、女性就労支援や子供たちの奨学金制度、苗木の無料提供などの社会事業も行っています。

これまで、パレスチナ産エキストラバージンオリーブオイルは、輸入量の多いイタリア産などに比べると高価な印象でしたが、オリーブオイルが全国的に品薄で価格が高騰している今なら、そんな印象も薄まり、より多くの方にお試しいただけるチャンスになるかもしれないと思い、ご紹介させていただきました。

 

ところで、パレスチナといえば、2023年10月から再びイスラエルと戦争状態となり、いまだに多くの犠牲者を生む戦禍が続いています。

オリーブは鳩と同様に平和の象徴だそうです。その由来は、旧約聖書「ノアの箱舟」の伝説で、大洪水が終わったことを確認するために放たれた鳩が、オリーブの枝をくわえて戻り、災害の終わりを皆に知らせたからだそうです。また、古代ギリシャやローマでは、オリーブは神聖な木として崇められ、智慧や平和の象徴とされていたそうです。そして、国際連合の旗にもオリーブの枝が描かれています。

アリーインターナショナル株式会社のホームページによりますと、パレスチナには広大なオリーブ畑が広がり、中には樹齢1000年の木も点在し、毎年オリーブの実をたわわに実らせているそうです。人々が長い年月大切に培ってきた、その大地と大地の恵みを、これからもずっと守っていかれるよう、一日も早く平和な日が来ることを心より祈念いたします。そしていつの日か、自分の目で広大なオリーブ畑を見てみたいと思います。

ちなみに、1000年前というと(かなり大雑把に言うとですが)、日本では平安時代、紫式部が源氏物語を書いた頃のようです。ヨーロッパではイギリス、フランス、ドイツなどの原型となる国家が独立した頃で、フランスでは後に世界遺産となるモン・サン・ミシェルの建設が始まったとか。そんな遥か昔から生き続け、ずっと人間に寄り添い、恵みをもたらし続けているオリーブの木、想っただけでもありがたく感動します。もし、樹齢1000年のオリーブの老木にまみゆることが出来たら、その根や幹や枝や葉に触れて、心から感謝の念を捧げたいと思います。