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月間低温流通6月号「冷凍野菜特集2024」にちょっとだけフィールド登場

2024年5月24日

「月間低温流通」は冷凍食品・惣菜・チルドなど低温食品の専門誌です。同雑誌は年1回“冷凍野菜特集” があり、毎年フィールドにも事前のアンケート依頼をいただき、今年も6月号にちょっとだけ登場させていただきました。専門誌なので、お手に取られる方は限られるかと思われますが、この特集は冷凍野菜業界の現況を知るのに、とても参考になります。

以下、同記事を参考に、23年度の冷凍野菜業界の概要についてまとめたものを少しご紹介したいと存じます。

● 冷凍野菜の需要伸長
まず、冷凍野菜は全体的に需要が伸びています。コロナ禍を経て、外食や中食産業におけるインバウンド需要の高まりや、それに伴う人手不足、更には天候不良による国産野菜の不作等さまざまな影響により、一般消費者にとっても業務用としても、冷凍野菜は「便利」「使える」という認識が着実に浸透してきたようです。

● 値上げが進行
全般的にある程度値上げが進みました。つまり、近年の「原価上昇」「物流費高騰」「円安」などのコストアップ分が漸く価格に転嫁されるようになり、収益が改善されつつありました。しかしその後、更に円安が進行してしまい、今後の先行きは依然不透明となり、適正価格がまだ十分に浸透しないうちに、再び価格の見直しを検討せざるを得ない状況となっています。

● 輸入量減少、輸入金額増加
冷凍野菜の輸入量はやや減少しましたが、単価が上昇したため、輸入金額は少し増えました。輸入量減少の要因は、前年が過去最高を記録した反動と、保管料が値上げとなったため国内在庫を抑制するためのようです。

● 国別輸入量は変わらず1位中国
輸入量を国別で見ると、最多は中国で全体の50%超を占めます。中国は多様な品目を安定供給できるため、他の産地にはない強みがあります。次いでアメリカ24%、ポテトやコーンなどの主要産地ですが近年価格が高騰し徐々に他の産地(中国やインド等)に拡散され減少しつつあります。そして同じくポテトの産地である欧州ベルギーが3位4.7%、タイ4%、オランダ3.8%、ブロッコリーの産地エクアドル2.7%と続きます。

● 品目別輸入量は1位ポテト
品目別に見ますと、輸入量が最も多い冷凍野菜はポテトで全体の約36%です。主な産地はアメリカ、ベルギーですが、中国産がここ3年で約3倍と急増しています。2位はブロッコリーで、3年連続右肩上がりに輸入量が増加し続けています。昨年はエクアドル産が首位でしたが、今年は価格が急騰したことから中国に抜かれて2位となりました。3位は枝豆で、主な産地は台湾、中国、タイです。そして、4位はコーン(主要産地アメリカ)、5位はほうれん草(主要産地中国)です。

● 国産冷凍野菜はまだまだ
国産需要は益々高まっています。元々潜在的な需要はありましたが、輸入品と比べ圧倒的に高価であることが大きな壁となり、特に業務用では輸入品に頼らざるを得ませんでした。しかし、円安で輸入品が全般的に割高となり価格差が縮まったと感じ、切替が検討されるようになったようです。ただ、国内で冷凍野菜を製造出来る工場はまだ少ない上、主要産地ではこのところ毎年のように異常気象や天候不順などで原料の不作が続いており、生産量が追い付かず、満足に供給出来る状況ではないというのが現状です。

● 農家、工場の人手不足と高齢化
日本では、原料を栽培する農家や加工製造する工場など、人手不足や高齢化が進んでいますが、中国など他の諸外国でも同じく、人手不足や高齢化が進み労働力の確保が難しくなっています。

● 今後の課題
日本では全体的に世帯構成が変化していることを踏まえ、病院や老健施設をはじめとする人手不足の調理場などでの需要に応えられる「自然解凍品」「調理加工品」「カット品」などの商品開発が、今後ますます必要とされていくものと思われます。

それから、冷凍野菜特集以外ですが、同誌(月刊低温流通6月号)のコラムでは、「物価の優等生」という言葉について、「価格が安定している=優等生」という呪縛で、様々なコストが上昇しているのに価格に転嫁しにくい状況を生み出しているのではないか、と日本社会に長年根付いている考え方の歪みを指摘しています。そして、最後の結びに「気づけば海外からの旅行者にとって”物価の安い国”になった」とあり、思わず「ほんとそれ!」と大きな声が出そうになりました。